【株式ニューカマー】高精度ミラーで世界の先端技術開発に貢献


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 □ジェイテックコーポレーション・津村尚史社長

 高精度ミラーと自動細胞培養装置を開発製造するジェイテックコーポレーションは、両分野のトップ企業として世界から高く評価されている。2月28日に東証マザーズへ新規上場したのを機にさらに信用を高め、技術に磨きをかける。津村尚史社長は「産学連携を積極的に進めて、高付加価値を軸に新しい産業分野を開拓する」と話す。

 ◆短時間で高度分析

 --どんな製品なのか

 「X線ナノ集光ミラーは、新しい素材や医薬品を開発するために、さまざまな物質を短時間で高度に分析する放射光施設で用いられている。大阪大学、理化学研究所と共同開発し、国内を代表する大型放射光施設『SPring8』などに納入されたほか、海外の先端放射光施設20カ所のほとんどにも導入され、レアメタル代替品やリチウムイオン電池向けの先端材料開発などに貢献している。創薬向けの自動細胞培養装置は、手間のかかる培地交換などの操作、観察、分析の自動化を実現した」

 --競合と比べての強みは

 「世界最高水準の高精度ミラーを製造する技術力だ。表面のゆがみは1ナノ(10億分の1)メートル以下で加工し、生産設備を全て自社開発している。競合品と比べて大幅なコストダウンを実現した。とくに非球面ミラーは、主力製品として製造しているのは世界で当社だけ。形状精度も他社と比べて10倍の高水準にある。自動細胞培養装置はさらに独自の工夫を加え、人工多能性幹細胞(iPS細胞)の大量培養技術応用など、創薬・再生医療を支援している」

 ◆海外で需要急増

 --業績の推移は

 「2018年6月期は、売上高が前期比52.6%増の12億2300万円、経常利益が同倍増の4億1700万円を見込んでいる。経常利益率は17年6月期の約25%から18年6月期は約34%に高まる見通しだ。15年ごろから海外の放射光施設で高精度ミラーの需要が急増したことが寄与している」

 --今後の展望は

 「高精度ミラーに関しては、より精度を高めた製品を開発することで、宇宙、半導体、医療といった新分野へ用途を拡大する。自動細胞培養装置は、iPS細胞以外に試験管内で臓器をつくる『オルガノイド』という技術への展開を図る方針だ」

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【プロフィル】津村尚史

 つむら・たかし 阪大工卒。1981年倉敷紡績入社。片岡実業取締役を経て、93年ジェイテック(現・ジェイテックコーポレーション)を設立し、現職。60歳。大阪府出身。

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【会社概要】ジェイテックコーポレーション

 ▽本社=大阪府茨木市彩都やまぶき2-4-35

 ▽設立=1993年12月

 ▽資本金=6億5674万円

 ▽従業員=37人(2018年2月末時点)

 ▽売上高=12億2300万円(18年6月期予想)

 ▽事業内容=放射光用超高精度形状ミラーと医療・バイオ産業向け各種自動化システムの開発設計、製作、販売