読み聞かせ、企業が盛り上げ カフェでイベント、連動商品開発

フレーベル館の実証実験で、クッションに座って喜ぶ子供ら=横浜市
フレーベル館の実証実験で、クッションに座って喜ぶ子供ら=横浜市【拡大】

 子供に絵本を読み聞かせる取り組みが図書館や学校以外でも広がっている。企業がイベントを開いて親子連れの集客に活用したり、絵本の販売につなげようとITを生かした商品を開発したりしている。絵本の良さが見直されるきっかけにもなりそうだ。

 2月中旬午後、川崎市にあるタリーズコーヒーの店舗内で絵本の読み聞かせの無料イベントが開かれた。子供6人と母親らがブックスペースに集まり楽しんだ。

 店員が読み進めながら「ワンワン、誰の鳴き声かな?」と問い掛けると、「イヌ!」と絵を指さして興奮気味に答える子もいた。

 2人の娘を連れて参加した東京都狛江市の30代主婦は「子供が退屈せず、ゆっくり過ごせるのがうれしい」と話した。

 店舗を運営するタリーズコーヒージャパンによると、子連れ客にも来てもらおうと神奈川県内の店舗で2004年に開催。女性を中心に顧客が増え、他店に取り組みが広がった。全国約700店舗のうち、約30店で定期的に実施している。

 03年から企業の社会的責任(CSR)活動として絵本のコンテストを開催。受賞作品は書籍化し、店頭で読み聞かせや販売をしている。担当者は「リピーターも多く、子連れが多い郊外店などで増やしたい」と語った。

 「アンパンマン」などの児童図書や保育用品を手掛けるフレーベル館(東京)は、絵本の内容に連動して振動するクッション「キンダーぶるぶるクッション(仮)」を開発中だ。子供が絵本に興味を持つきっかけになればと考案した。

 タブレット端末やスマートフォンで専用アプリを操作し、無線でクッションに振動を伝える仕組みだ。絵本に出てくる扉をたたく場面では「トントン」という振動や音が座面から伝わる。波の音や動物の足音など内容に合わせた演出ができる。

 保育施設や書店での活用を想定、凸版印刷、慶応大大学院と協力し開発。実証実験を重ね18年度中の商品化を目指す。

 未就学児を対象とした実験では子供たちが驚く姿や、最後まで集中して聞く姿が見られたという。横浜市の特別支援学校の協力で、障害のある子供たちも体験。振動を楽しみ、声や表情に出して喜ぶ姿が見られた。