KDDI、複数ドローンで遠隔監視 4G活用、広範警備の実証実験

運航管理室では右上のモニターで4機のドローンが撮影した映像が同時に確認できた=15日、相模原市
運航管理室では右上のモニターで4機のドローンが撮影した映像が同時に確認できた=15日、相模原市【拡大】

 KDDI(au)は15日、自律飛行する小型無人機「ドローン」を複数使った警備の実証実験を公開した。第4世代(4G)移動通信方式を活用して複数のドローンを同時に飛ばし、広範囲を遠隔監視することで大型施設での不審者や不審火の発見などが可能になるという。

 実験は相模原市のレジャー施設で、KDDI、テラドローン、セコム、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が共同で実施した。

 約150万平方メートルの敷地内で、高度約60メートルから監視する「俯瞰ドローン」2機と、約30メートルを飛行する「巡回ドローン」2機の計4機を同時に運用。管理室の警備担当者が俯瞰ドローンの撮影した映像を通じて不審者を発見し、担当者が巡回ドローンを操作して不審者を追跡、搭載のスピーカーで警告を行った。ドローンはLEDライトや赤外線カメラも搭載しており、火災の検知や、ライトを使った夜間警備もできる。

 セコムはすでにドローンを使った警備を導入しているが、無線LANによる制御のため、導入先にアンテナ工事が必要だったり、複数台を飛ばすのは難しかったという。

 NEDOロボット・AI部の弓取修二部長は「東京五輪に向けてドローン警備のニーズは高まる。人手不足の時代にいかに省力化して安心・安全を担保するか、技術を洗練させたい」と話した。