トヨタの新型エンジン、「世界トップレベルの出力と熱効率」を両立 燃費最大18%向上 (2/3ページ)

トヨタが投入する「ダイナミック・フォース・エンジン2・0リットル」。新型のCVTとの組み合わせで、エンジン車で燃費を18%向上する
トヨタが投入する「ダイナミック・フォース・エンジン2・0リットル」。新型のCVTとの組み合わせで、エンジン車で燃費を18%向上する【拡大】

 CVTとは金属ベルトを使って連続的に変速する変速機の一種で、滑らかな走りを実現できるが、発進時の燃費性能低下が欠点とされてきた。新型では、世界で初めてCVTに「発進用ギア」を採用。時速40キロまでの低速域で、エンジンの動力をタイヤに効率良く伝えられるように機構を改善し、燃費性能を既存のCVTと比べて6%高めた。

 CO2排出量18%削減も

 今回発表されたエンジンやCVTは、部品の共通化などでコスト削減と高い品質を両立させようとするトヨタ独自の開発や生産の手法「TNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)」に基づいてつくられた。エンジンの種類を整理・統合して約4割削減し、構造・要素技術を統一して開発の効率化と生産性の向上を進めている。エンジンやトランスミッション(変速機)などの駆動系を示す「パワートレーン」について、2021年までにTNGAに基づき開発する19機種を導入する計画。TNGAに基づくエンジンなどの主要部品を搭載した車は、日本・米国・欧州・中国の主要市場で販売する新車の2割弱を占めているが、これを23年に8割まで引き上げる。実現すればパワートレーンの寄与分だけで新車平均のCO2排出量を15年比で18%以上削減できるという。

2030年でも90%近くの新車はエンジンを搭載