3000円で1カ月飲み放題! サブスクリプション型飲食サービス 緻密な営業戦略を探る (2/5ページ)

▽料理のグレードをアップする客

 じわじわと広がりつつあるサブスクリプション型(利用期間に対して対価を支払う)飲食サービス。そこにはどんな可能性があるのだろうか?

 前述のアンドモワによる月額定額制飲み放題は、サービス開始当日夜のテレビ東京系番組「ワールドビジネスサテライト(WBS)」で紹介されたこともあり、さまざまなメディアで取り上げられた。それから1カ月ほどを経た段階で同社を取材し、利用客の反応や定着度などを聞いてみた。

個室居酒屋「柚柚」秋葉原店の店頭

個室居酒屋「柚柚」秋葉原店の店頭

 同社が1カ月飲み放題という思い切ったサービスに打って出たのは、個室居酒屋「柚柚」秋葉原店で2017年10月に15日間実施したトライアルの反応がことのほかよく、客単価も60円しかマイナスにならないという数字が得られたからだという。「東北料理と柚のかほり」をキャッチフレーズにした個室居酒屋「柚柚」秋葉原店は昭和通りに面したビルの5階と、秋葉原でも目立つ場所にある。

 どういうことか? WBSの番組内でも紹介されていたが、飲み放題のお得感がある分、料理の注文が高いメニューにシフトする傾向があるというのだ。

 たとえば、1品目が枝豆(299円)→まぐろとアボカドのユッケ(699円)へ、2品目が唐揚げ(499円)→厚切り牛タン(1029円)へ、メインの鍋が鶏すき鍋(1199円)→本ズワイガニの海鮮寄せ鍋(1599円)にグレードアップといった体で、3人グループを想定すれば、それだけで料理の客単価は443円も上昇する。

料理で儲けるビジネスモデル