3000円で1カ月飲み放題! サブスクリプション型飲食サービス 緻密な営業戦略を探る (3/5ページ)

 サービス開始から約1カ月を経て、対象店舗は首都圏以外にも大阪梅田、博多の天神、熊本を加えて33店舗となっている(2月26日時点)。前述の「柚柚」秋葉原店ではテレビ番組の宣伝効果もあり、交通至便の立地もあって、一桁違うほどの売上を記録したという。

▽料理で儲けるビジネスモデル

 居酒屋好きの一人として特に感心するのは、飲み放題の対象ドリンクが全250種類ときわめて幅広いことだ。たいていの飲み放題では対象ドリンクがメニューの冊子とは別の小さなカードに列挙されていて、生ビールに飽きたからカクテルでもとなった時点での選択肢の少なさが恨めしいことがままあるからだ。

 だが、1カ月間何度でもという点につけ込んで毎日のようにがぶ飲みする人が大勢いるようではサービスの継続は難しくなる。実際に各店舗で実施してみて、そのあたりは本当に大丈夫なのだろうか?

「柚柚」の内観

「柚柚」の内観

 「おかげさまで、月に1回ほどのご来店だったのが4~5回に増えるなどの例が目立ってきています。傾向として3回目くらいで、料理を抑えてどれだけ飲めるかに挑戦される方々が多いのですが、たいていはその一度きりで、あとは飲み代が安くなる分、料理を充実させることが毎回の習慣になられるようです」(アンドモワ改善改革推進本部の森本重久執行役員)

 なるほど。そこで改めて気づかされるのが、飲み屋に来てアルコールだけを注文する人はいないことだ。お酒をおいしく飲むにはうまい料理も不可欠であり、そこに、飲み放題を1カ月定額にしても料理で儲けるというビジネスモデルが成立する余地があるわけだ。

店の「広告塔」としての期待も