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三菱重工、次期中期計画 「売上高5兆円」目標変えず

 三菱重工業が、2020年度までの次期中期計画で売上高5兆円規模の目標を据え置くことが27日、分かった。17年度が期限の現行の中期計画では、主力の火力発電設備の需要減少が響き5兆円に届かない見通し。自動車などのエンジンに空気を供給するターボチャージャー(過給機)など成長事業を伸ばし目標達成を目指す。

 小口正範最高財務責任者(62)が共同通信のインタビューで明らかにした。次期中期計画は5月に公表する。

 小口氏は「火力発電が短期間で回復するとは思わない」と説明。「世界経済の成長に乗っている製品を伸ばす」とし、自動車向けのターボチャージャー、物流倉庫用のフォークリフトや空調機器などを挙げた。

 三菱重工は15~17年度の中期計画で、安定した利益確保に必要な売上高として5兆円の目標ラインを設定した。しかし全体の2割超を占める火力発電が世界的な環境規制の強まりで風力発電などに需要を奪われたことなどにより、17年度は4兆500億円にとどまるもようだ。

 国産初のジェット旅客機「MRJ(三菱リージョナルジェット)」について小口氏は「(20年半ばとしている)初納入に向け全力を投入する」と強調。子会社の三菱航空機(愛知県豊山町)の債務超過解消を含め、量産に向けた体制整備を急ぐ考えを示した。

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