愛知県警 捜査現場でも改革「メリハリ」で休暇

 警察官の働き方を変えようと、愛知県警が休暇取得や勤務時間短縮を進めつつ、仕事の質を高める「働き方改革」に力を入れている。大変な仕事のイメージが強い警察が外部コンサルタントを招き、全国でも先駆的な取り組みを示すことで、対応が遅れている企業への波及効果も期待される。

 県警は「仕事と生活の調和」を目指す計画を策定。2015年から3年間、働き方改革で知られる小室淑恵社長の「ワーク・ライフバランス」(東京都港区)から助言を受け、改革は4年目に入る。名古屋駅前の中村署が手本だ。人の動きが激しく繁華街も抱え、署員は事件、事故の処理にてんてこ舞いだが成果が出つつある。秘策はみんなで考える「カエル会議」。「早く帰る」と「意識を変える」をかけた。

 「朝の報告を全員一緒にしたらどうか」「各課が検察庁に持って行く書類は全部まとめたらどうか」。生活安全第2係は月に2回、カエル会議を約15分行い、率直に改善意見を出し合う。

 昨年は時短が進む一方、事案処理は514件と16年比で4割も増え、県警の業務評価でトップレベルとなる効果が出た。署の夏季休暇の平均は16年の7.0日から9.9日となり、県警の全署で最多だった。

 誕生日なども含めて署員全員の公私の予定が閲覧できるソフト導入、帰宅を宣言するカード。中村署は会議での意見や本部の助言で小さな改善を積み重ねた。

 川原亮二警部補は「『休みが取れないのは能力が足りない』という雰囲気に変わった。係の2人は妻の出産時に『イクメン休暇』を7日取れた」と歓迎する。

 渡辺彰署長は「重要なのはメリハリだ。時短で生活が充実し元気な警察官こそ、町の安全を守ることができる」と話している。