【講師のホンネ】「ココロの元気」と「体の元気」 大谷由里子

 人前で講演をするようになって20年。演題のリクエストは、もっぱら「ココロの元気」をテーマにした内容が多い。最新刊「元気セラピー」(KKロングセラーズ刊)は、おかげさまで売れ行き好調。11日には、東京・新宿の紀伊国屋書店さんで出版記念講演会を開く。

 こだわっているのは、行動を変えること。感情や性格なんてそんな簡単に変わるはずがない。だからこそ元気なうちに、落ち込んだとき、うまくいかないときに行動を変えられる自分にしておくことが大切。そして行動を変えるヒントを数多く持っておくことも大切だと伝えている。

 「誰と会っていたら元気になる?」「自分を元気にしてくれるものは何?」という問いかけもあれば、「散歩するといいよ」などと具体的な行動を促すこともある。例えば、部下の1人が経験的に十分に分かっている作業を失敗したとする。上司は、「なんで(分かっているはずなのに)間違うんだ!」と、怒ってしまう。実は、分かっているのに間違うということは、「部下のモチベーションが落ちている証拠」。そんなときこそ、「何か気がかりでもあるの?」と適切な質問を投げかけることが重要になる。

 最近、健康食品の会社から講師を頼まれることが増えている。参加者の方は、皆さんとても元気。学ぶ姿勢もあって、よく反応してくれる。それどころか、講演会場に並べるよう頼まれた本まで、こぞってお買い求めいただける。ある参加者に、「みなさんとても元気ですね。わたしの話なんて不要でしょ」(笑)と声をかけると、主催者の男性がおっしゃった。

 「ココロと体はつながっています。だから体だけじゃなく、ココロの健康はとても大切です。わたしたちは健康食品を売っているのでなく健康運動を売っているのです」

 なるほど。わたし自身も、体調が今一つの時は、心まで元気がなくなる。逆に体の調子が良いと、出かけたくなるし、心もウキウキしてくる。そう思うと、ココロの元気と体の元気は1セット。何よりも、どちらの元気もそろっていると人に優しくなれる。前向きになれる。人の話も聞ける。

 人の話を聞けるからこそ、相手を周囲を元気にできる。ココロと体の元気、どちらも大切。

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【プロフィル】大谷由里子

 おおたに・ゆりこ 奈良県生まれ。1985年吉本興業入社。横山やすしのマネジャーを務め、宮川大助・花子など、タレントを次々と売り出した「伝説の女マネジャー」として知られる。2016年3月、法政大学大学院・政策創造研究科を修了。「笑い」を用いた人材育成法は、NHKスペシャルなど多くのメディアで話題となっている。