【ハザードマップ】市から破産を申し立てられる異例の事態・振興銀や改正貸金業法が経営を翻弄

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 ■公益社団法人徳島市観光協会/ジェイ・ワン・インベストメンツ

 ▼公益社団法人徳島市観光協会 公益社団法人徳島市観光協会は3月29日、徳島地裁から破産開始決定を受けた。

 同法人は徳島市の観光事業の振興を目的に設立され、「阿波踊り」の運営管理のほか、PR活動や阿波踊り会館、「眉山ロープウェイ」の管理・運営、徳島の観光案内や徳島県産の物販も手掛けていた。2017年3月期には売上高5億9183万円、最終利益374万円を計上していたが、過去の赤字のため2億8744万円の債務超過に陥っていた。また、徳島市が債務保証する資金繰りや損失補填(ほてん)のための短期借入金は約4億3600万円(17年3月期決算時点)に達していた。

 さらに昨年夏から有識者らによる調査団を設置し、収支状況を調査したところ、疑義のある経費計上が確認された。こうした状況を踏まえ、徳島市との間で話し合いが行われたが物別れに終わり、徳島市はこれ以上の代理返済をしないことを決定。金融機関から預貯金などを相殺した借入金の債権譲渡を受け、市が破産を申し立てていた。

 ▼ジェイ・ワン・インベストメンツ ジェイ・ワン・インベストメンツは3月19日、東京地裁から特別清算開始の決定を受けた。

 同社は元東証マザーズ上場のニッシン債権回収(現ブルーホライゾン債権回収)の全額出資子会社で、ニッシン債権回収が担保として保有している不動産の売買や特定金銭債権の買い取り業務などを手掛け、ピークとなる2008年3月期には売上高95億2394万円を計上していた。

 しかし、リーマン・ショック後の市況低迷などで取引件数が大幅に減少。主力業務の不動産売買や債権買い取りは不振に陥っていた。そうした中、グループの中核で総合金融サービス事業のNISグループが12年5月に民事再生法の適用を申請(12年11月破産)。その後は業容が縮小し13年3月期は売上高が18億7618万円に落ち込み、多額の赤字計上で債務超過額は拡大。今年2月28日に株主総会の決議で解散していた。

【会社概要】公益社団法人徳島市観光協会

 ▽所在地=徳島市新町橋

 ▽設立=1971年10月

 ▽代表理事=近藤宏章氏

 ▽負債額=約3億8000万円

【会社概要】ジェイ・ワン・インベストメンツ

 ▽本社=東京都港区

 ▽設立=2004年1月

 ▽資本金=300万円

 ▽負債額=118億6077万円

  (2013年3月期決算時点)

 〈チェックポイント〉

 徳島市観光協会は親会社にあたる市から破産を申し立てられる異例の事態となった。四国を代表する集客イベントの損失は補助金で補填され、その運営責任は重い。ずさんともいえる収支の根本原因は何だったのか。同じ轍(てつ)を踏まないためにはベールに包まれていた運営実態を明らかにする必要がある。

 ジェイ・ワン・インベストメンツは、グループ中核のNISグループが親密先の日本振興銀行の経営破綻に連鎖倒産し、その影響を受け機能不全に陥っていた。街の消費者金融業者から総合金融グループにまで成長したNISグループだったが、後年は振興銀や改正貸金業法に翻弄され経営悪化が表面化した。(東京商工リサーチ常務情報本部長 友田信男)