高性能コンピューター、AI研究需要でレンタル活況 (2/2ページ)

将棋の第2期電王戦の最終第2局で、コンピューターソフト「PONANZA」と対局する佐藤天彦名人=2017年5月、兵庫県姫路市の姫路城
将棋の第2期電王戦の最終第2局で、コンピューターソフト「PONANZA」と対局する佐藤天彦名人=2017年5月、兵庫県姫路市の姫路城【拡大】

 1時間単位や1カ月単位だけでなく、1秒単位で貸し出す企業も出てきているという。

 データセンター事業を手掛ける「さくらインターネット」(大阪市)は2016年9月から貸し出し事業を始めた。昨年5月、将棋の佐藤天彦名人を破ったソフト「PONANZA(ポナンザ)」は同社の提供するGPUを使って強くなったという。

 利用者は大学や研究機関が多い。ただ、大口の利用者とお試しで使う小口の利用者に二極化しており、舘野正明副社長執行役員は「AIを使う機会はこれから増えていくはずだ。GPUを利用したいという需要はある」と予測する。

 AIの人材を育成するベンチャーに関わる中山浩太郎・東京大特任講師(情報科学)は「多くの利用者に合わせた使いやすい環境を提供できるかどうかが重要だ。利用する側もGPUやAIを使いこなせる人材に投資する必要がある」と語る。

 GPUの開発は米国企業が先行しているが、国産のAI向け半導体を開発しようと日本政府も力を入れ始めた。重要視するのは、AIの実力を引き出すこと。ベンチャーを支援し、消費電力が少なく、自動運転や産業機械など各分野に特化した半導体の開発を後押しする。