金融

金融庁、生保の完全歩合制を問題視 架空契約事件でソニー生命に立ち入り検査 (1/2ページ)

 ソニー生命保険の社員から架空の生命保険契約で現金をだまし取られる被害が相次いだ問題で、金融庁が同社に立ち入り検査に入っていることが5日、分かった。業務の成果に応じて賃金が支払われる「完全歩合制」の給与形態が事件を招いた可能性があるとして、実態の把握に乗り出した。

 被害は、顧客からの問い合わせで発覚し、ソニー生命が昨年7月に発表した。香川県内で営業を担当していた元男性社員が2009年9月~17年4月、6人の顧客と架空の生命保険契約を結び、計1億3521万円をだまし取ったという。昨年9月には、広島県内の元男性社員が同様の手口で複数の顧客から現金数千万円をだまし取っていたことも判明。広島県内の男性社員は今年1月に逮捕された。

 金融庁は、一連の事件を受けて昨年秋から検査官をソニー生命に派遣し、同社の完全歩合制の給与形態に問題がなかったかなど、検査を行っている。同社の社員が「契約の取れない月に現金をだまし取って補填(ほてん)していた可能性もある」とみているためだ。5月末までに検査を終え、問題があると判断した場合は業務改善命令を出す。

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