大ガス、電気料金の割引をセット契約の全顧客に拡大 関電との競争過熱

 大阪ガスは、ガスと電気をセットで契約した顧客に対し、使用量にかかわらず電気料金が安くなるよう料金体系を見直した。これまで使用量が200キロワット時を超える家庭に限っていた割引対象を全顧客に拡大。4月検針分から適用する。関西電力も4月から電気とガスのセット契約で新たな料金プランを導入しており、大ガスは顧客争奪戦で対抗する狙いとみられる。

 新たな料金体系では、電気やガスの使用量が少なめの家庭(月あたりの電気使用量200キロワット時、ガス使用量25立方メートル)の場合、従来よりも2%安くなる。平均的な使用量の家庭(月あたりの電気使用量260キロワット時、ガス使用量31立方メートル)も1%安くなる。

 電力、ガスの小売り全面自由化後、大ガスは3月中旬時点で電気の顧客を60万件獲得。自由化以前の関電の契約数(1100万件)の約5%を奪った。一方、関電は3月末までにガスの契約数を42万件超とし、自由化以前の大ガスの顧客(623万件)の約6%を奪った。

 関電は大飯原発3、4号機(福井県おおい町)再稼働後の今夏に電気料金を再値下げするが、大ガスも対抗値下げを示唆している。