【ドローンタイムズ】福島・田村市に「ドローンコンソーシアムたむら」設立

地方創生の新しいモデルの象徴となる可能性を秘めた「ドローンコンソーシアムたむら」の設立総会
地方創生の新しいモデルの象徴となる可能性を秘めた「ドローンコンソーシアムたむら」の設立総会【拡大】

 ■地域主体、地方創生の新モデル

 慶應義塾大学とドローンの利活用で包括的な連携協定を結んでいる福島県田村市は、地域の産業創出や活性化を目指す「ドローンコンソーシアムたむら」の設立総会を田村市役所で開催した。発足メンバーは農業団体、森林組合、測量会社、システム会社など地域に縁がある法人、個人が中心。地域主体のドローン活動組織は全国的にも前例がなく、地方創生の新しいモデルとなりそうだ。(村山繁)

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 「ドローンコンソーシアムたむら」は、参加団体、個人が知見を提供しあい、産業創出、地域活性化などを模索する枠組み。参加者は、ドローンの利活用に積極的な田村市や周辺地域で、行政の協力を得ながら活動ができ、取り組み意識の高いメンバーとの交流ができる。設立時点で約40の参加者が名簿に名を連ねた。

 設立総会では田村市の本田仁一市長が「田村市ではドローンの利活用を検討し、産業人材育成として高校でのドローン特別講座開催などを進めてきた。産業創出、地域振興につなげるには産学官の連携が必要で、その活動母体となるコンソーシアムを設立いただき、期待を寄せている。課題がひとつでも多く解決することを期待している」とあいさつした。

 また皮籠石直征(かわごいし・なおゆき)副市長は、「地域が自発的、自律的、持続可能な形で組織を発足させ、地域課題の解決に取り組むために、地域としてドローンのコンソーシアムを設立する例は国内で初めてではないかと思う。人材育成、ドローンの普及啓発、地域課題の解決、ビジネス交流の4つを目的に掲げており、これらの中からいろいろな可能性が芽を出すことを願っている」と述べた。

 さらに、田村市のドローン事業を監修してきた慶大SFC研究所ドローン社会共創コンソーシアムの南政樹副代表は「ドローンコンソーシアムたむらができることが、わたしたちの夢だった。低空域はいま、鳥と虫のもの。人は使う術をまだ持っていない。しかし空は地球上、どこにでもある。空を活用する術を見つければ、それは地球上のどこでも活用できる。ここで生み出したことを、世界中で使うという夢を持っていただきたい」と促した。設立総会では、規約案、予算を承認し、役員を以下の通り選出した。会長:根本俊男氏(福島さくら農業協同組合<JA福島さくら>)、副会長:南政樹氏(慶大SFC研究所ドローン社会共創コンソーシアム)、小林康宏氏(スペースワン)、監事:松崎文男氏(福島県商工信用組合)、皮籠石直征氏(田村市)、事務局長:佐原禅氏(NPO法人くらスタ)。

 今後、課題やテーマごとに設立するワーキンググループを基本の単位として活動を開始する。このほか年間4回程度をめどに、講師を招いた勉強会を軸にした定例会、2カ月に1回程度のフライト会、田村市内の観光資源を素材にする空撮ロケ、活動報告会、体験会などの開催を視野に入れている。

 議事終了後、福島県立船引高校でドローン特別講座を受け、3月に卒業式を終えたばかりの石井新一さん、佐藤史隆さんが、それまでの活動内容を、撮影した映像をまじえて振り返り、船引高校のドローンチームが、知識を学び、技量を身に着けて、国土交通省の許可・承認を取得して、田村市で初めて開催された野外音楽フェス「ONE+NATION music circus in TAMURA」で空撮を担当したことや、市の防災訓練参加、都路商工祭の撮影、CM大賞参加、福島県南相馬市にある福島県立小高産業技術高校との交流など、対外的な活動に参加したことを報告した。

 佐藤さんは「ドローン特別講座でさまざまな成果を得ることができました。特別講座にかかわったすべてのみなさまに感謝したい」と感謝を述べた。