次世代車競争の鍵を握る「モデルベース」とは? シミュレーション多用しコスト削減

シミュレーションを多用することで試作の回数を減らし、コスト削減につなげるモデルベース開発の現場(マツダ提供)
シミュレーションを多用することで試作の回数を減らし、コスト削減につなげるモデルベース開発の現場(マツダ提供)【拡大】

 自動車の構造が電動化や自動運転技術の進化によって複雑化する中、メーカー各社は開発効率を高める課題に直面している。

 日本の自動車産業は、試行錯誤を繰り返し高品質な製品をつくり込む「すりあわせ」を得意としてきた。だが、欧米勢や中国メーカーとの競争が激化しているだけに、従来の開発手法では開発期間の短縮とコスト削減に限界がある。解決の鍵を握るのが、コンピューター上のシミュレーションで試作回数を減らしコストを削減する「モデルベース開発」(MBD)だ。

 国内大手でモデルベース開発に積極的に取り組んでいるのがマツダだ。同社の2018年3月期の研究開発費は約1400億円の見込み。1兆円超をつぎ込むトヨタ自動車などとは大きな差があり、限られた資金で競争力を高めるためモデルベースを実践してきた。

 具体的には、この手法で開発した高性能の「スカイアクティブ」エンジンを11年に小型車「デミオ」に搭載、後継のエンジン開発にも役立てた。19年に発売予定の電気自動車(EV)からは車1台の開発に丸ごと採用する。

 一方、経済産業省は自動車や電機の大手を巻き込み、業界内で共通のモデルベース開発手法を利用するための環境を20年までに整備する方針。「開発競争は『協調』領域を増やさないと勝ち抜けない」(自動車課)と指摘している。(臼井慎太郎)