【論風】進展する「電力化」社会 安定供給への課題が山積 (3/3ページ)

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 投資確保策の機能化

 第2に、電力市場自由化による安定供給への影響を考慮していく必要がある。競争により消費者利益を追求し、市場効率化を図ることの意義は大きい。他方、競争によって、将来の需要(販売)が不透明になり、電力価格が限界費用で決定されるようになると、電源投資は難しさを増す。特に初期投資の大きな電源投資ほどそうなる。加えて、政策支援を受け、変動費が極めて低い再生可能電源が市場に大量流入してくると、上記の課題は一層大きくなる。現在、世界では電源投資確保のための制度として「容量市場・メカニズム」の導入が図られているが、制度をいかに実際に機能させていくかが安定供給の重要課題である。

 また、電力の重要性が増す中で、電力システムへのサイバー攻撃の可能性という潜在的な脅威にも注目する必要がある。電力化社会の中で安定供給を維持する上での新たな課題に適切に対応することが求められていこう。

【プロフィル】小山堅

 こやま・けん 早大大学院修了。1986年日本エネルギー経済研究所入所。2011年から現職。英ダンディ大学留学、01年博士号取得。専門は国際石油・エネルギー情勢分析など。58歳。長野県出身。