【山本隆三の快刀乱麻】漂流し始めた米エネルギー政策 金利上昇で発電投資に影響も (1/4ページ)

 英国が2025年までに石炭火力発電所の全廃を打ち出すなど、欧州主要国の脱石炭の流れは止まらない。こうした流れに逆らうかのように、石炭復活を掲げ当選したトランプ米大統領は、石炭の消費増を狙った石炭火力優遇策、生産増を狙った環境規制緩和などの政策を相次いで打ち出したが、価格が下落している天然ガスとの競争に勝てず、石炭生産・消費量の減少に歯止めがかからない状況だ。

太陽電池製品などを対象に緊急輸入制限の発動を命じる文書に署名したトランプ大統領=1月23日、米ワシントン(AP)

太陽電池製品などを対象に緊急輸入制限の発動を命じる文書に署名したトランプ大統領=1月23日、米ワシントン(AP)

 太陽光の雇用減少

 石炭火力の発電量減少を穴埋めしているのが、天然ガス火力と再生可能エネルギーの発電量増加だが、トランプ政権は再エネについて冷淡ともいえる政策を採っている。1月に発表された輸入太陽電池・モジュールへの課税により、米国の太陽光発電設備への投資と雇用が減少すると予測されているが、既に米国では太陽光関連の雇用が減少していることが明らかになった。さらに2月12日に発表された2019年度(18年10月~19年9月)の予算教書でも、再エネ関連予算の大幅カットが提案されている。

 そんな中、注目を浴びたのが、トランプ大統領が公約としてきたインフラへの投資だ。予算教書と同時にホワイトハウスはインフラ投資案を発表した。送電網、発電設備への投資が行われることも期待できるが、米国の再エネ業界では、再エネ関連投資は限定的とみる向きが多いようだ。石炭支援を打ち出したものの、その実効性に疑問がある中、再エネ支援も行わないトランプ政権のエネルギー政策は漂流し始めたようだ。

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