四国と九州・沖縄で景気判断引き上げ 日銀さくらリポート 賃上げは根強い慎重論

 日銀は12日、4月の地域経済報告(さくらリポート)を公表し、全国9地域のうち四国、九州・沖縄の2地域で景気判断を引き上げた。北海道は一昨年の台風被害に伴う公共投資が一巡し引き下げられたが、幅広い地域で景況感の改善傾向が続いている。課題となっていた賃上げや販売価格への転化にも前向きな声は増えてきたが、慎重姿勢も根強く、経済の好循環を作り出すにはまだ時間がかかりそうだ。

 景気判断の引き上げは、四国が平成26年1月以来4年3カ月ぶり、九州・沖縄が29年7月以来9カ月ぶり。賃金の改善を背景に個人消費が好調だった。

 企業の設備投資に対する意欲も旺盛だが、リポートでは「工場の建て替えに着手したが、建設業者の人手不足で完成時期は遅れる見込み」(熊本「生産用機械」)など、人手不足が成長の足かせになっている状況もうかがえた。

 一方で、人手不足は企業の慎重姿勢にも変化をもたらしており「かつてない金額の賃上げを実施予定」(松本「生産用機械」)など前向きな声が増加。ただ、「ベースアップには踏み切りにくい」(大阪「食料品」)といった慎重論も根強く、日銀の担当者も「変化の兆しは出てきたが足元の労働需給や企業収益と比べると、もう少し力強さが欲しい」と語った。