【私の仕事】東京国立博物館・小野塚拓造氏 何回来ても飽きない工夫

「順番に見て回れば歴史が分かるように、並べ方を工夫する」と話す小野塚拓造氏
「順番に見て回れば歴史が分かるように、並べ方を工夫する」と話す小野塚拓造氏【拡大】

 東京・上野にある東京国立博物館の研究員。エジプトやサウジアラビアなど中東の歴史を研究し、何千年も前に作られた道具や人形、絵画といった文化財の展示を企画している。

 倉庫には日本や世界の文化財が12万種類近くある。専門の中東に関する数千種類のうち、百数十種類を館内に展示する。「どれを選んだら多くの人が興味を持つか、知恵を絞る」

 展示品は1年に何回か入れかえる。「有名な人物や出来事に関係する物をまとめるなど、年に何回も来てくれるお客さまが飽きないように工夫する」

 外国の文化財を特別に展示することもある。1~3月の「アラビアの道」という企画ではサウジアラビアの博物館と協力し、現地から石器や人間の石像など400種類以上を日本に運んだ。「日本人がアラビアの歴史を理解するには何を見てもらうのがいいか、相手側と何年も前から打ち合わせをした」

 古い文化財はとても壊れやすく、専門会社に運んでもらう。地震が起きても倒れないように特別の器具で固定する。「大昔の人が作った物を間近で見ると、当時の生活を想像できる。インターネットの情報では分からない感動がある」という。

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【プロフィル】小野塚拓造

 おのづか・たくぞう 筑波大大学院人文社会科学研究科博士課程単位取得退学。2016年4月から東京国立博物館の学芸研究部研究員。37歳。埼玉県出身。