高級アウトドア体験が楽しめる「グランピング」市場が新段階に入ってきた。若い世代に対する訴求力の高さから、客層の若返りを図る観光地でグランピング施設開発が相次いでいる。利便性の高さや友人と写真を共有したくなる景観作りなど一芸を競っている。
藤田観光が27日開業
富士の麓に抱かれた静岡県御殿場市。藤田観光は12日、東名高速御殿場インターチェンジから車で約3分にある約1万7000平方メートルのなだらかな平地に27日開業予定の「藤乃煌(きらめき) 富士御殿場」を報道陣に公開した。20棟ある全キャビンから富士山が望め、責任者の山内遥介氏は「写真映えもばっちりで記念日にも最適」と胸を張る。
同社がホテルを運営する近隣の箱根エリアは顧客の年齢層が比較的高く、若い観光客への訴求が課題だった。藤乃煌ではキャンプ初心者も利用しやすいよう、宿泊施設はテントでなくキャビンとし、リビング部分は可動式の天幕でオープン化。自然との一体感と快適性の両立を図った。
施設整備は昨シーズンから各地で顕在化している。京浜急行電鉄は昨年6月、グループが三浦半島(神奈川県)で運営する「観音崎京急ホテル」敷地内にアウトドアメーカーとコラボしたグランピング施設をオープンした。東京湾を一望できる屋外デッキで、地元食材を使ったキャンプ料理を楽しめ、入浴は併設する温浴施設を利用可能だ。