小児がん、大腸がんなどを尿検査で判別 日立、20年実用化目指す

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 日立製作所は16日、尿検査でがんにかかっているかを判別する実証実験を4月から始めると発表した。小児がんと胆道がん、大腸がんが対象で、早ければ2020年の実用化を目指す。自宅で採取した尿を検査機関に送り、結果をスマートフォンのアプリで受け取れるようにする。がんの早期発見に役立ちそうだ。

 実証実験は名古屋大などの協力を得て今年9月まで行う。250人分の検体を使用し、がんによって増えたり減ったりする特定の代謝物を解析。実用化に向け研究を加速する。

 日立で開発に当たる基礎研究センタの坂入実チーフサイエンティストは東京都内で記者会見し「小児がんは放射線や血液での検査があるが親や子どもに抵抗感もあるため、尿検査で代替する意義は大きい」と話した。

 日立は16年に、今回実証実験を始める技術を開発したと発表。乳がんと大腸がんを対象に準備していたが、検体がより多く集まったため小児がんなどを先行させる。ほかのがんにも応用できるか研究を進める。