多様化する葬儀 全国定額も 少人数、短時間、独自のお別れの会

ユニクエスト・オンラインが手掛ける家族葬のイメージ
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 亡くなった人との別れの儀式であるお葬式が変わってきた。儀礼的な弔問よりも、家族中心に少人数、短時間の葬儀が増加、故人に合ったしのび方による独自の「お別れの会」も開催されている。全国定額で料金、内容を明確にしたサービスを提供するベンチャー企業も登場している。

 名古屋市に住む加藤明子さんは2016年6月、1月に50歳で亡くなった夫の亘さんの「お別れの会」を開いた。葬儀は家族や親戚などで執り行ったが、友人やお世話になった人とは半年後にお別れの会をしたいというのが亘さんの遺志だった。

 野球が好きで少年野球のコーチもしていたので、献花ならぬ野球のボールを並べる「献球」することだけを決めていた。「プレイボール」の掛け声で開式。芝生とカーネーションで野球のグラウンドのような祭壇にし、飾られたボールは野球チームに寄付した。

 加藤さんは「亘さんらしく送り出せた。周りの人とのつながりを感じられた」と振り返る。

 インターネットサイト「いい葬儀」の運営などを手掛ける鎌倉新書(東京都中央区)によると、17年の全国調査で葬儀にかかった平均総額は約178万円で、13年(約203万円)や15年(約184万円)に比べ減少した。

 葬儀の種類は家族や近親者で開く「家族葬」が約4割に増加、宗教儀式を行わずに火葬だけで送るのは約5%だった。一方、知人らも参列する「一般葬」は減少傾向だが、5割以上を占めた。

 担当者は「安く、少人数、短時間で行われる葬儀が増えている。半面、後日改めてお別れの会を開くなど多様化している」と指摘した。

 ユニクエスト・オンライン(大阪市)が手掛ける「小さなお葬式」は、全国どこでも定額で対応するサービスだ。06年創業のベンチャー企業だが、累計10万件の葬儀を執り行った。

 家族葬の通常料金は49万3000円で、葬儀場利用料や祭壇、火葬料も含まれる。僧侶を手配するなど別料金の追加サービスも用意している。安心して利用できるように料金、サービス内容を明示し透明化するよう心掛けているという。