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規制改革推進会議、放送の在り方議論 コンテンツの海外展開強化

 政府の規制改革推進会議(大田弘子議長)が16日、官邸で開かれ、放送をめぐる規制改革の在り方を議論した。「政治的公平」などを義務づけた放送法4条の撤廃は議論されず、インターネットの動画配信の普及で通信と放送の融合が進展する中、放送コンテンツの海外展開の強化や競争促進などが検討課題として挙げられた。

 会議に出席した安倍晋三首相は「現在、急速な技術革新により放送と通信の垣根はどんどんなくなっている。グローバルな競争時代に突入している」と述べ、インターネットを通じたテレビ番組や動画配信の普及と進展により、これまでの放送と通信の産業構造に大きな変革が起きていることを議論の背景として挙げた。

 その上で、安倍首相は「わが国のコンテンツ産業の活力を高める大きなチャンスだと捉えなければならない」と強調。放送や通信業界が、ドラマなどのコンテンツ制作に注力し、海外展開を強化すべきだという考えを示した。

 会議の閉会後に記者会見した規制改革推進会議の作業部会の原英史座長は「放送、コンテンツ業界は過去の成功体験にとらわれない未来に向けた転換が求められている」と指摘。コンテンツの制作現場が力を発揮できる環境整備を盛り込んだ答申を5月にも取りまとめる考えを示した。

 一方、政府の放送制度の改革をめぐって放送法4条の撤廃方針などが報道されていることについて、大田議長は「まず論点をクリアにして幅広く議論する。法制度の整備にもなりうるが、それはどの規制改革についても同じだ」と断言。結論ありきの議論ではないと強調した。

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