投資ファンド、事業承継の選択肢に 中小企業の後継者難で利用者が増加 (1/2ページ)

中小企業の事業承継を目的とした「日本投資ファンド」の設立を発表する日本M&Aセンターの三宅卓社長(左)と日本政策投資銀行の富井聡取締役常務執行役員=東京都千代田区
中小企業の事業承継を目的とした「日本投資ファンド」の設立を発表する日本M&Aセンターの三宅卓社長(左)と日本政策投資銀行の富井聡取締役常務執行役員=東京都千代田区【拡大】

 中小企業の間では後継者難によって黒字でも廃業を余儀なくされる企業が増えており、事業承継を円滑に進めていくことが課題となっている。こうした中、着実に実績を残しているのが投資ファンドの活用による事業承継だ。これに伴い日本政策投資銀行がM&A(企業の合併・買収)仲介の日本M&Aセンターと共同でファンドを設けるなど、投資ファンドをめぐる動きが活発化している。

 中小機構が仲介

 自動車部品メーカー創業家に育った2代目社長は、60歳を超えると健康面で不安を抱えるようになった。高い収益を確保していたこともあり、経営のバトンタッチを模索したが暗礁に乗り上げた。親族に後継を託す人材がいなかったからだ。日本の自動車メーカーは新興国戦略を加速しており、取引先からは「新たな海外拠点を展開してほしい」という強い要請があったが、後継者問題が難航し、手つかずとなっていた。

 考えあぐねて中小企業基盤整備機構を訪ねたところ、中小機構が一部出資する「中小企業成長支援ファンド」の運営会社から後継社長の育成や海外展開プランなどが提案される。自らの考えと合致したことから、13年に社長と親族の全株を同ファンドに譲渡。社外取締役を受け入れ中期経営計画が策定された。

 後継者問題も解決に向かう。ファンド運営会社のネットワークを通じて、大手自動車メーカーの海外法人社長を務めた人材が紹介され、2年間の業務経験を経て3代目社長に就任した。

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