【トヨタ 新たな闘い】(上)決断の裏に焦りも…大変革期、迫られる意識改革 (1/2ページ)

完全自動運転の試作車「e-Paletteコンセプト」を披露するトヨタ自動車の豊田章男社長=1月、米ラスベガス(共同)
完全自動運転の試作車「e-Paletteコンセプト」を披露するトヨタ自動車の豊田章男社長=1月、米ラスベガス(共同)【拡大】

 ■EV競争激化 奮起促すも社内に壁

 自動運転や電気自動車(EV)の開発競争で大変革期にある自動車産業。日本最大のトヨタ自動車でもかじ取りを誤れば危機が待ち受ける。新たな闘いに挑むトヨタの改革と未来を探った。

 移動サービス業へ

 愛知県刈谷市の愛知製鋼刈谷工場内に古びた木造の建屋がある。豊田章男社長の祖父で、トヨタ創業者の喜一郎氏が1935年に初の試作車を造りあげた場所だ。

 老朽化して取り壊す予定だったが、豊田社長の「創業の原点を感じることができる」との思いから保存が決まった。今夏に一般公開する。

 欧米メーカーが自動車市場を席巻していた時代。「大衆のため、国産車を造り、国を豊かにしたい」という喜一郎氏の夢が、自動織機を生産していた企業を自動車メーカーへ変えた。

 「私たちは80年前と同じ変革の時代に生きている。当時あったのは知恵と情熱だけだった」。豊田社長は2018年の入社式で強調し、社員に奮起を促した。

 米ラスベガスで1月に開かれたイベント。完全自動運転の試作車「e-Palette(イーパレット)コンセプト」を披露した豊田社長は「クルマ会社を超え、人々の様々な移動を助ける会社、モビリティーサービスカンパニーへと変革することを決意した」と宣言した。高齢者や障害のある人、全ての人に移動の自由をという思いがある。

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