米携帯2社の合併合意、孫氏の「兵法」通じず 当局の承認も流動的、実現に懐疑的な見方も (1/2ページ)

ソフトバンクグループの孫正義社長
ソフトバンクグループの孫正義社長【拡大】

 ソフトバンクグループ傘下のスプリントと、TモバイルUSが合併で合意した。合併後の経営権はTモバイル側が握る。ソフトバンクの孫正義氏の神通力でも米携帯市場は攻略できなかった。米当局の審査はこれからで、現地では合併実現に懐疑的な見方も出ている。

 スプリントとTモバイルの合併交渉は3度目で折り合いがついた。前回はソフトバンクと、Tモバイルの親会社ドイツテレコムが経営権をめぐって争い破談した。

 今回、ソフトバンク側が譲歩する形で急転直下決着した背景に何があったのか。周辺関係者は「孫氏は投資に夢中だ」と明かす。

 実際、最近のソフトバンクは英半導体開発大手アーム・ホールディングスを買収したり、米配車大手ウーバー・テクノロジーズの筆頭株主になったりと大型投資が続く。アームは多様な機器がインターネットにつながるIoT、ウーバーは今後大きな潮流になるといわれるシェアリングエコノミー(共有型経済)への布石といい、孫氏の興味が「通信の先」に移りつつあるようにみえる。

 こんな中で買収から5年たってもジリ貧のスプリントは「もはやお荷物だった」(日本の通信関係者)。孫氏の「携帯離れ」は日本でもみられ4月、上場準備中の携帯子会社ソフトバンクの経営体制を変更。孫氏は代表権のない会長に退き、宮内謙社長のワントップ体制に改めた。孫氏は今後一段と投資家色を強めるとみられる。

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