【株式ニューカマー】口コミの影響力で質の高い広告情報発信


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 ■アジャイルメディア・ネットワーク 上田怜史社長

 アジャイルメディア・ネットワークは、会員制交流サイト(SNS)を通じた口コミ情報によって、企業や商品の魅力を発信している。ウェブとともに体験イベントなどを組み合わせることで、ファンクラブのような場を提供し、会員の自発的な投稿を促す。3月28日に東証マザーズ市場に新規上場した、同社の上田怜史社長は、企業や自治体、官公庁との契約を増やし、多言語化によって海外の日系企業のニーズも取り込む方針だ。

 --他の口コミサイトとの違いは

 「同じような領域では『インフルエンサー』と呼ばれる有名人・著名人に報酬を払って、情報を発信してもらう方法の活用が進んでいる。しかし当社は一般の消費者に会員登録をしてもらい『アンバサダー』として、周囲の身近な人に価値や魅力を伝えてもらう。インフルエンサーは多くの人に情報を伝えられるが、これは従来の広告手法に近い。アンバサダーには金銭的報酬が発生しない。自発的に友人、知人、同僚などに商品・サービスを勧めてもらっている」

 --自発的な投稿をどのように促すのか

 「体験イベントへの招待や、商品の先行モニター依頼、商品開発への参加など特別な機会を提供し、動機付けしている。このようなネットとリアルを融合させた試みは他では例がない。どのような投稿をすると、どこまで情報が広がり、閲覧した人はどんな反応をしたのかということが把握できる。こうして企業やブランドごとにアンバサダーの貢献度を可視化している」

 --成果を可視化するメリットは

 「例えば商品のサンプリングでは通常、商品を配布しても効果測定はできない。一方、アンバサダー向けには口コミの影響力を指標としてサンプリングするため、効率が良く、商品を体験してもらった後に質の高い情報発信が期待できる。成果の見込みと検証が可能で、費用対効果の高い施策が可能になる」

 --なぜ上場したのか。調達資金の用途は

 「多くの個人情報を取り扱っているため、信頼度を高めたいと考えたからだ。当社のアンバサダープログラムは、契約数と会員数を伸ばす余地が十分あるだろう。ソリューション開発を進めていくためにも、上場で得られた資金は主にシステム開発の強化に活用する」

 --これからのサービス展開の方針は

 「現在68のブランドが当社のサービスを導入し、20万人強のアンバサダーが活用している。それぞれ上積みしていきたい。アウトドアやゴルフなどの趣味だけに特化した他のメディアと連携してアンバサダーの組織化を進めていく。また、昨年から名古屋市と提携しているが、他の地方自治体とも地域活性化やふるさと納税の返礼品PRなどで支援していく。海外ではタイに続き、進出も加速したい」

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【プロフィル】上田怜史

 うえだ・さとし 日本工業大工卒。2000年エー・ピー・シー商会入社。シーネットネットワークスジャパン(現・朝日インタラクティブ)、ディー・エヌ・エーを経て、07年アジャイルメディア・ネットワーク入社。09年取締役、14年3月から現職。40歳。大分県出身。

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【会社概要】アジャイルメディア・ネットワーク

 ▽本社=東京都港区虎ノ門3-8-21 虎ノ門33森ビル4階

 ▽設立=2007年2月

 ▽資本金=3億2660万円

 ▽従業員=49人 (2018年1月末時点)

 ▽売上高=9億9000万円 (18年12月期予想)

 ▽事業内容=インターネットを活用した広告配信・情報提供サービスなど