【高論卓説】古くて新しい「デットガバナンス」 今、求められているのは (1/3ページ)

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 金融機関、企業に寄り添うブレーンに

 全国銀行協会の新会長に藤原弘治氏(みずほ銀行頭取)が就任、4月2日の就任後初の記者会見で、次のような興味深い質問が飛んだ。「東芝も含め、昨年、企業の不祥事であるとか、業績が不振に陥った企業がたくさんあったが、そういった企業に対するデットガバナンスの考え方を教えてほしい」。デットガバナンスは金融機関が借り手企業の経営を監視することだ。

 これに対して藤原会長は「デットガバナンスは古くて新しい問題である。スチュワードシップ・コード(責任ある機関投資家の諸原則)を通じたエクイティ(株式)によるガバナンス(企業統治)と併せて、資金供給者である銀行による伝統的なデットガバナンスについても、時代に合わせた対応が期待されていると思う」と述べた。さらに「継続的な対話を通じて企業の事業内容や成長可能性を深く理解した上で、企業の経営課題を共有し、その解決に向けて資金供給や非金融面でのアドバイザリー、ソリューションを提供していくことが重要な観点かと思う」と語った。

 デットガバナンスは、銀行の最大の機能である資金供給を通じた「債権者である銀行と債務者である企業との関係」(藤原会長)であり、メインバンク(主力取引銀行)はその象徴と言っていい。しかし、両者の関係は、時代の変遷とともに大きく変化し、メインバンク制も変容した。

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