富士フイルムHDの買収白紙も ゼロックスと反対派が和解 事務機改革にも暗雲 (1/2ページ)

 富士フイルムホールディングス(HD)が買収することで合意した米事務機大手ゼロックスは米国時間の1日、買収に反対する大株主と和解したと発表した。新たな経営陣を選び、買収計画に対する代替案を検討する。富士フイルムHDは計画推進のため法廷で徹底抗戦する構えだ。

 ニューヨークの裁判所が和解を承認すれば、新たなゼロックスの取締役会は反対派が過半を占める。現行の計画を受け入れる可能性は極めて低く決着に時間がかかりそうだ。計画が白紙に戻る可能性もある。

 富士フイルムHDは2日、買収を差し止めるニューヨークの裁判所の仮処分決定を不服として上訴する方針を発表した。買収に反対する大株主らとゼロックスの和解を承認しないよう異議も申し立てる。反対派との和解に「深刻な懸念を持っている」と表明。「(従来通りの)プラン実行を求めていく」とも指摘した。

     

 富士フイルムHDによる米ゼロックス買収計画が暗礁に乗り上げる恐れが出てきた。富士フイルムHDはゼロックスを傘下に収めることで世界最大の事務機メーカーとなり、競争力を強化する方針だったが、仮に買収が白紙となれば、戦略の練り直しが迫られる。

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