【ハザードマップ】アイロニー/欧倫ホーム トレンド激変、差別化持続できず

 ▼アイロニー アイロニーは4月11日、東京地裁から破産開始決定を受けた。

 レディースカジュアルウエア「IRONY(アイロニー)」を展開、カットソー、ニット、スカート、服飾雑貨品などを中心に販売し、渋谷区神宮前の本店や、ファッションビル「ラフォーレ原宿」内に直営店を構えていた。

 若年層を対象にしたファッション誌にも数多く露出し、10~20代の女性からの高い人気と知名度を持っていた。

 店頭販売のほか、セレクトショップなどにも卸販売し、2008年7月期は売上高約3億1200万円を上げていた。だが、その後、ファストファッションの台頭による競合が進むなかで11年には本店を閉店。実店舗を持たず、オンラインストアやセレクトショップでの販売に移行した。

 しかし、消費税増税による環境悪化や大口顧客との取引終了も重なり販売が低迷、17年7月期は売上高が約7600万円にまで減少。昨年10月に「アイロニー」ブランド事業を終了し、今回の措置となった。

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 ▼欧倫ホーム 欧倫ホームは4月10日、事業を停止し、名古屋地裁への破産申請を弁護士に一任した。

 戸建て住宅の建築工事を手掛け、注文・分譲住宅の新築やリノベーションを柱に展開。デザイン性の高さを強みにテレビ・ラジオCMで認知度を高め、名古屋市内を中心に5カ所の展示場を設けていた。ピークとなる2012年6月期の完工高は約36億9000万円を計上し、相応の利益を確保していた。

 しかし、15年6月期には消費税増税後の反動で注文住宅・分譲住宅ともに需要が減退。17年6月期はリノベーション事業を関連会社に移管したことで完工高は約25億200万円まで低下し、借入金の返済負担も高まっていた。

 また、近年は新築物件の補修などで人件費などの経費がかさみ資金繰りは逼迫(ひっぱく)。昨年末ごろから支払いの遅れも散発する中、関連会社を売却し今回の措置となった。

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【会社概要】アイロニー

 ▽本社=東京都渋谷区

 ▽設立=2000年1月

 ▽資本金=300万円

 ▽負債額=約1億600万円

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【会社概要】欧倫ホーム

 ▽本社=名古屋市名東区

 ▽設立=1998年5月

 ▽資本金=1億6305万円

 ▽負債額=約19億円

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 〈チェックポイント〉

 アイロニーはかつて裏原宿系ファッションを代表するブランドだったが、人気を持続させることができなかった。アパレル業界はトレンドが目まぐるしく変化する業種の筆頭だ。他社にはない差別化やプレミア感など、いかに顧客の心をつかめるかがトップブランドを維持できるかの分かれ目といえる。

 欧倫ホームは積極的な広告戦略で地元では知られた存在だったが、内情は火の車。取引先への支払い遅れも発生していた。

 売り上げアップのためには知名度の上昇は大事な要素だが、知名度のある企業の全てが優良企業とはいえない。派手な宣伝広告が経営不振の隠れみのになっていた可能性も否めない。(東京商工リサーチ常務情報本部長 友田信男)