電機

アイボ復活は「らしくない」!? 元ソニー社員が指摘、ソニーは「らしい製品」が必要だ (5/8ページ)

 ウォークマンを生み出したのは今さら言うまでもなく、独創的な発想力と要素技術の開発力のふたつだった。ひとつ目は、個人が屋外で好きな音楽を楽しめる製品をつくるという発想。つまりすぐれた製品企画力。そしてもうひとつは、パーソナルポータブル機にするための主要デバイス開発力。

 これまで前者には光があてられ評価されてきた。その一方で、後者はそれほど注目されて来なかった。しかし、この開発力があったからこそ「ステレオミニプラグ・ジャック」が生み出される。実はこれがその後誕生することになるパーソナルポータブルオーディオの市場のいわばプラットフォームと言ってもよい存在になっていく。

 ソニーの発明がアップルに負けた日

 前者の発想をもとに、ソニーは、誰もが使えるポータブル機器として成立させるため本体の動作電圧を半減させる目標をたてる。つまりそれまで常識だった6Vの動作電圧を3Vに下げるのだ。これが実現すれば、4本必要だった乾電池を半分のたった2本になり、製品は大幅に小型化できる。ただし、2本にするためのハードルは当時の既存技術にとってはきわめて高かった。そこでソニーは集積回路(IC)とモーターを新規に開発する決断をする。結果的にソニーはこの開発に成功し、おかげでウォークマン発売後の2年間、他社は技術的に追随できなかったためこの市場を独走した。つまり、ウォークマンは外観の斬新さだけではなく、当時としては文字通りのハイテク機だったのだ。

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