経営

ローソンのクルー17万人をみてきた結論 店長の挨拶と店員の接客レベルは比例する (5/5ページ)

 では、いったい誰から「笑顔の挨拶」を実行していけばよいのでしょうか? もちろん、お店では、オーナーや店長からです。お店のリーダーが自ら行動しようと心に決めて、積極的に実行してほしいと願います。

 しばしば「クルーたちが元気のよい挨拶をしてくれない」と悩んでいるオーナーや店長から相談を受けることがありますが、そもそもあなた自身はクルーたちに「気持ちのよい挨拶」をしているでしょうか? お客さまにいつでも明るい声で「笑顔の挨拶」をしているでしょうか?

 自分がやっていないことを相手に「してほしい」と頼んでも、それは難しいですね。オーナーや店長が、「笑顔の挨拶は、自分ではなく、クルーから」と思ったなら、その瞬間にすべてが終わってしまいます。「まず私からやろう」と思わない限り、物事は何1つ動いていきません。

 私たちが思っている以上に、挨拶は大事です。お客さまにきちんと挨拶するということは、それだけで「いいお店だな」「このスタッフは感じがいいな」と思っていただける大きな要素の1つだからです。人は挨拶されることによって、「気持ちいいな、明るいな。ここならまた来てもいいな」と心を動かされ、そのお店を自分の行動範囲の中の1つに加えてくれるのです。これほど重要な挨拶を、しっかりやらない理由はありません。

 挨拶にお金がかかるでしょうか? 経費はゼロです。時間がかかるでしょうか? わずか1、2秒です。お金もかからず、ほんの数秒ですむのに、相手は「いいな」と思ってくれる。それだけの力を秘めているのが挨拶です。

 お店で働く全員が本気で挨拶を見直すこと。そして「笑顔の挨拶」を徹底すること。これだけで、お店は大きく変わります。すべてのお店が「笑顔の挨拶」であふれ、そこからお客さまとの信頼関係が深くつながっていくことを願っています。

 清水とみか(しみず・とみか)

 株式会社ローソン 運営本部 シニアスペシャリスト 「心のこもった接客担当」

 東京海上日動火災保険株式会社に勤務後、ローソンに入社。2004年から現在のESおよびCS推進業務に携わる。「お客様のご満足はスタッフ一人ひとりの笑顔から!」、また「いろいろな声は吸い上げるものではなく、自ら聴きに行き、受け止めるもの!」が信条。社内専用ブログや社内テレビを立ち上げ、コミュニケーション活性化に努め、若い世代へ引き継ぐ。地味にコツコツ数多くの社員やフランチャイズのオーナー・店長・クルーのみなさまとの“笑顔の橋渡し役”として活躍中。

 (株式会社ローソン 運営本部「心のこもった接客担当」 清水 とみか)(PRESIDENT Online)

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