日本企業で巨額買収相次ぐ 損失のリスク 東芝やリコーは減損計上 (2/2ページ)

武田薬品工業(左)とシャイアーのロゴ
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 ただ、巨額買収は財務体質の悪化などのリスクも伴う。東芝は18年に米原発ウェスチングハウス・エレクトリックを買収したが、巨額の減損損失を計上し、破綻寸前まで追い込まれた。リコーも子会社化した北米の事務機器販売会社の減損損失で、30年3月期に最終赤字へ転落した。

 今回の武田の買収をめぐっても、年初に6600円台を記録していた武田株は巨額買収が取り沙汰されると、投資家が金額に不安を感じ下落基調に転じた。8日の終値は割安感から前日比178円高の4638円と反発したが、依然として低迷する。買収をリスクでなく、成長につなげられるか。日本企業のM&A戦略の巧拙が改めて問われる。(会田聡)