SNS感覚で「ありがとう」伝える 「ピアボーナス制度」システム

ホステル「UNPLAN」で、コメントを見るアシスタントマネジャーの加藤明香さん(左)と従業員=東京・神楽坂
ホステル「UNPLAN」で、コメントを見るアシスタントマネジャーの加藤明香さん(左)と従業員=東京・神楽坂【拡大】

 ■フリンジハチイチ

 職場の同僚が会員制交流サイト(SNS)を利用する感覚で感謝の言葉を送り合い、成果給などに反映させる仕組みを始める企業が増えている。報酬は少額でも堅実な仕事に光を当て、社員の士気を高め人間関係を円滑にする効果が注目されている。

 ◆ポイントで成果給

 「自分の仕事を中断して、一緒に手伝ってくれてありがとう!」

 都内のIT企業「Fringe81(フリンジハチイチ)」は、社員がパソコンやスマートフォンで同僚に感謝のコメントを送ると、手持ちのポイントが相手に渡る「ピアボーナス制度」のシステムを開発、社内で実施している。

 コメントはリアルタイムで全社員が閲覧でき、気に入って拍手マークを押した人のポイントも感謝の相手や送り主に渡る。得たポイント数に応じて月ごとに成果給が支給され、1人当たり平均で月3000円ほどになる。

 システムを運営する都内の「Unipos(ユニポス)」は「全員に見える形で感謝を伝えると、人知れず貢献する人の努力が社内で認められ、士気が高まる」としている。制度開始後、フリンジのエンジニアの退職が3年以上にわたりゼロになった。

 ◆導入企業100社超

 このシステムを導入する企業は100社を超える。東京・神楽坂にあり、外国人宿泊客が多いホステル「UNPLAN(アンプラン)」もその一つだ。さまざまな国籍の人が働き、勤務シフトの違いで互いの働きぶりが見えにくいことがある。

 一人で多くのベッドメーキングをした人への感謝がアップされると、同僚が次々と称賛する。

 アシスタントマネジャーの加藤明香さんは「運営側も地道な努力に気づき、ふさわしい人事評価ができる」と話す。

 一方、成果給とは異なり、社員が同僚から感謝されて得たポイントを新たにやりたい仕事に活用する会社もある。

 都内の若者の就職支援会社「UZUZ(ウズウズ)」は既存のSNSなどを使い、社員が「いつもごみ捨てしてくれてありがとう」と、感謝の言葉とポイントを送り合う。

 たまったポイントは会社に申請、認定を経て新規事業の資金などに当てられる。

 新たに動画配信を考えた社員に同僚が自分のポイントを譲り、速やかに機材を購入した。川畑翔太郎専務は「社内の意思疎通が増えるなど効果は絶大だ」と話す。