「一枚岩となって戦略加速、『ワン・タケダ』に」 武田、ウェバー社長会見 (1/3ページ)

シャイアー買収を発表し、会見する武田薬品のクリストフ・ウェバー社長=9日午後、東京都中央区(萩原悠久人撮影)
シャイアー買収を発表し、会見する武田薬品のクリストフ・ウェバー社長=9日午後、東京都中央区(萩原悠久人撮影)【拡大】

 武田薬品工業は9日、欧州医薬品大手シャイアーの買収に関する記者会見を東京・日本橋の本社で正午から開いた。7兆円に迫る買収額(460億ポンド)は、日本企業として過去最高額。この買収により同社は製薬業界で世界9位へと躍進する。会見場には国内外約100人の報道陣が集まり、クリストフ・ウェバー社長が「グローバルな医薬品のリーダーになるための大きなステップだ」と意義を説明。巨額投資に伴う財務悪化への懸念についても「債務の水準は急速に下げることが可能だ」と強調した。

 約70分間の会見では、まず武田の取締役会議長を務める坂根正弘・コマツ相談役特別顧問が「『タケダイズム』を維持できるかどうかが買収判断の大きな論点だった」と経緯を説明した上で、今後について「一枚岩となって戦略を加速させ、『ワン・タケダ』になれれば大きな企業価値を実現すると信じている」と語った。

 続いてウェバー社長が「地理的にもバランスがとれたベストな組み合わせとなる。グローバル化が加速するが、武田が日本企業であることに変わりはない」と力説。合併の完了後は、消化器と神経疾患分野の強化により、欧米勢に後れを取っていた新薬の開発やシャイアーが高いシェアを有する米国市場での販売拡大に弾みを付けるという。

 ウェバー社長と報道陣の主な一問一答は、次の通り。

 --シャイアーが持つ希少疾患分野の強みを、どう生かす考えか

 「タケダのパイプライン(開発中の新薬候補)の3分の1は治療対象を絞った薬の開発であり、(シャイアーの強みと)共通している。今後、遺伝子治療など多くの分野でシナジーが期待でき、研究開発の生産性が向上するはずだ」

「目指すのは競争力の強化」