全銀協、即時決済ニーズ取り込みへ環境整備 他業種ライバルに対抗 (2/2ページ)

 その邦銀の背中を押したのは日銀のマイナス金利政策で国内利ざやが減少し、構造改革が急務となっている現実だ。店舗やATMから利便性が高く管理コストを低く抑えられるネット取引へ顧客を誘導する動きが加速する可能性もある。

 だが、即時決済をめぐってはITと金融を融合したフィンテックの新サービスも相次ぐ。無料通話アプリ大手LINE(ライン)の「LINEペイ」ではコンビニなどで事前にお金をチャージすれば利用者への無料送金が可能だ。

 一方、全銀協は銀行振り込みは安全性の高いシステムを経由している点を強調。手数料はかかるが、「極めて信頼性が高く、フィンテックとすみ分けできる」とする。もっとも銀行側ではフィンテック台頭への危機感も強く、IT企業と組んで仮想通貨の基幹技術「ブロックチェーン」を活用した安価な送金システムの開発にも乗り出すなど、両にらみで技術革新を進めている。(万福博之)