マツダ社長に丸本氏昇格 「米が最重要課題」強調

 マツダは11日、丸本明副社長執行役員(60)が社長に昇格するトップ人事を発表した。社長交代は5年ぶり。電動化やカーシェアリングの普及など経営環境は激変しており、新たな体制で成長を目指す。丸本氏は同日午後に東京都内で記者会見し「米国市場がマツダのブランド、収益にとっても最重要課題だ」と強調した。

 6月26日の株主総会後に就任する。小飼雅道社長(63)は代表権のある会長に就く。小飼氏は車種の絞り込みやブランド力の強化に取り組み、世界販売台数を3割伸ばした。電気自動車(EV)の普及などをにらみ、トヨタ自動車と資本提携するなど将来への道筋を付けた。

 丸本氏は車両開発や経営企画などの担当を歴任した。マツダは2024年3月期に世界販売台数を40万台弱上乗せして200万台とする高い目標を掲げており、主力の米国の強化が急がれる。米国の生産販売を統括してきた丸本氏は「足元で稼ぐ力が落ちている」と危機感も語った。

 小飼氏と丸本氏は11日午前、広島県府中町の本社でも会見した。

【プロフィル】丸本明氏

 まるもと・あきら 慶大卒。1980年東洋工業(現マツダ)。取締役などを経て2013年6月から副社長執行役員。広島県出身。