トヨタは来月にも30年債 欧米金利上昇、超長期で起債の動き

 欧米の金利上昇圧力が強まる中、トヨタ自動車やファーストリテイリングを含めて超長期債を検討・発行する日本の発行体が目立っている。

 トヨタは初の30年債を含めた総額1000億円規模の社債発行を検討している。6月にも起債する意向だ。事情に詳しい関係者が明らかにした。ファストリも初の20年債をはじめとする複数年限で最大2500億円を5月下旬に起債する。四国電力は4月25日、最長年限となる25年債を100億円発行。静岡県は地方債市場で初めて4月に30年債、200億円の条件を決定した。

 米連邦準備制度理事会(FRB)や欧州中央銀行(ECB)が金融緩和の「出口」に向かい、海外金利に上昇圧力が高まっている。昨秋から上昇基調の米10年国債利回りは4月25日、3%に乗せて取引を終えて4年超ぶりの水準に上昇した。日本でも日本銀行の長短金利操作対象外で10年を超える超長期金利に上昇観測が出始めている。こうした中で実際に金利が上がり始める前に超長期の資金を確保する起債が出ている。

 複数の投資家はトヨタの超長期債について、信用力の高さを評価して起債が実現すれば利率水準次第で前向きに検討すると語った。ある投資家は、欧米の金利上昇は国内一般債市場にポジティブだと述べた。国内超長期金利が連れ高すれば、一部を除き国債上乗せ金利(スプレッド)で発行条件が決まる超長期債の投資妙味が増すとの見方だ。

 一方、ある投資家は自動運転や人工知能(AI)の展望を踏まえると30年後のトヨタの姿が不透明として、トヨタ債には公益企業以上のスプレッドが必要と指摘した。先行の30年事業債ではJR東日本が1月にスプレッド0.21%、利率1.037%で条件を決めている。また別のある関係者は、米朝首脳会談など影響が不透明な政治日程を控えて超長期金利が急上昇すれば、コスト高になるとして30年債発行を断念する可能性も否定できないと語った。

 メリルリンチ日本証券の大崎秀一チーフ金利ストラテジストは、依然として利回りは低いとしながら「将来的に上がる可能性は高いということ」と指摘、「日銀が緩和策は何十年も続けるわけはないと思えば、金利が低いうちに長めの社債を発行しておきたいと考えることはおかしくはない」と話した。(ブルームバーグ Issei Hazama)