武田薬品の30年3月期は増収増益、主力薬の海外販売好調

決算発表会見を行う武田薬品工業のクリストフ・ウェバー社長=14日、東京都中央区
決算発表会見を行う武田薬品工業のクリストフ・ウェバー社長=14日、東京都中央区【拡大】

 武田薬品工業が14日発表した平成30年3月期連結決算(国際会計基準)は、最終利益が前期比62・6%増の1868億円だった。売上高は2・2%増の1兆7705億円、本業のもうけを示す営業利益は55・1%増の2417億円。潰瘍性大腸炎・クローン病治療薬「エンティビオ」など、主力薬の販売が好調だった。

 重点3領域と位置づけるがんと消化器系疾患、精神神経系疾患の売上高が12・8%増加。円安も収益を押し上げ、試薬を手がける子会社売却による減収を補った。地域別売上高は米国が15・8%の大幅増となったが、日本は0・7%減。

 31年3月期は前期より円高に振れると想定するほか、前期に計上した子会社の売却益がなくなるため、売上高が前期比1・9%減の1兆7370億円、営業利益が16・9%減の2010億円、最終利益が25・6%減の1390億円を見込む。

 14日に東京都内で記者会見したクリストフ・ウェバー社長は、アイルランド製薬大手シャイアーの買収で「財務も利益率も改善する」と強調。31年6月までの買収完了を目指すため、同年3月期業績予想には織り込んでいない。