減らぬ介護離職、罪悪感が要因 「保険」で負担軽減・精神的抵抗感の引き下げに期待

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 親の介護に備えた保険が誕生した背景には、介護で離職する人が一向に減らない現状がある。主な要因の一つが介護を他人に任せることへの罪悪感だ。介護サービスなどを十分に活用しないまま1人で抱え込んで離職するケースも多く、保険で経済的な負担が軽減されると同時に、介護の一部をプロに任せることへの精神的な抵抗感を引き下げる効果も期待されている。

 厚生労働省によると要介護・要支援の認定者数は年々増加しており2015年度は約620万人。国も介護と仕事の両立支援策を講じているが、介護や看護が原因で離職・転職する人は毎年10万人前後で推移し減る気配はない。

 費用の問題も大きい。日本には充実した介護保険制度があるが、仕事と介護を両立する場合、多くのサービスを使うため自己負担は大きくなりがちだ。生命保険文化センターの調査では、介護費用の平均は月額約7.9万円。介護期間は平均10年とされ、総額は男性で約855万円、寿命の長い女性は1175万円に上る。仕事を辞めて自ら介護する道を選ぶ人も多いが、実際は収入が途絶えることで生活が苦しくなるといった悪循環に陥ることも少なくない。

 介護問題に詳しい三菱UFJリサーチ&コンサルティングの矢島洋子主席研究員は「仕事と介護の両立には、働き方を変えることと介護の一部をプロに任せる発想が重要だ。介護は自分たちがやるべきものだと抱え込み、介護サービスを十分に活用していない人は多い。こうした新しいタイプの保険が介護サービスの積極活用につながることが期待される」と話している。(蕎麦谷里志)