富士フイルムが富山化学を完全子会社化 医薬分野を強化

富士フイルムの本社が入るビル=東京都港区(AP)
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 富士フイルムHDは14日、連結子会社の医薬品メーカー、富山化学工業(東京都新宿区)を7月に完全子会社化すると発表した。大正製薬ホールディングスから富山化学株の34%を取得し、注力分野と位置づけている医薬品事業の強化を図る。

 取得額は非公表。富士フイルムは平成20年に富山化学の株式66%を1300億円で取得し、医薬品分野に本格参入した。今年10月に、放射性医薬品を手がける別の子会社と富山化学を統合し、がんやアルツハイマーなどの治療薬の開発を加速させる。

 富士フイルムの医薬品事業の売上高は3840億円(29年3月期)で全体の約17%。今年3月には、JXTGホールディングスから再生医療関連2社を850億円で買収すると発表するなど、積極的なM&A(企業の合併・買収)で事業拡大を急いでいる。