日本郵政、M&Aや経営強化に1兆数千億円投資 長門社長「成長の種まき」

記者会見する日本郵政の長門正貢社長=15日午後、東京都千代田区
記者会見する日本郵政の長門正貢社長=15日午後、東京都千代田区【拡大】

  • 中期経営計画を発表する日本郵政グループの長門正貢社長=15日、東京都千代田区

 日本郵政は15日、経営基盤の強化やM&A(企業の合併・買収)に向け、今後3年間で1兆数千億円を投資する方針を明らかにした。同日発表した平成32年度までの新中期経営計画に明記した。長門正貢社長は「今回の中計が最も厳しい3年間になる。今後10年を見据え、成長の種まきをする」と強調した。

 中計では郵便・物流部門に1800億円を投資するほか、不動産開発など金融部門でも2700億円を投じ、1兆円をかけて経営基盤を強化する。さらに、経営資源を活用するための資本提携やM&A、ベンチャー企業などへの出資に数千億円を投資する。

 傘下のゆうちょ銀行は日銀の金融緩和による低金利で利息収入が低下、日本郵便は郵便物の減少や賃金単価の上昇などで3年間で最終利益が3700億円減少すると試算。投資効果による日本郵便とかんぽ生命保険の収益拡大などで補い、33年3月期の最終利益で4100億円超を目指す。

 日本郵便では人員の配置を見直し、昨年度8億8千万個だったゆうパックの取り扱い個数を3年間で10億5千万個に増やす。かんぽ生命ではリスク性資産の拡大で運用益を向上。ゆうちょ銀ではITの活用などで効率化を図り、32年度までに29年度比で2千人分の業務、300億円相当のコストを削減する。

 同日発表した30年3月期連結決算は、売上高が前期比3・0%減の12兆9203億円。前期は289億円の赤字だった最終損益は、4606億円の黒字に転換した。