【フロントランナー 地域金融】千葉興業銀行成田西支店の村田実耶課長(2)


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 ■規定外でも柔軟に対応、取引深耕に

 千葉興業銀行成田西支店で、顧客一人一人に親身に対応する村田実耶さんの姿勢はローン利用者への説明や提案でも変わらない。例えば住宅ローンの借り換えにあたり、金利面を優先して他行で契約を決めようとしていた顧客が、再検討の末、「一生懸命に対応してくれて信頼しているから」と自店で契約してくれたことがある。

 村田さんは、金利タイプごとに複数の繰り上げ返済計画のシミュレーションを提示。質問にも丁寧に答えるなど、要望に対して懸命に応えた。「(住宅業者から)大切なお客さまを任せてもらうので、責任感を持って臨んでいます。誠意を持って対応すれば、その気持ちはお客さまにも必ず伝わると信じています」と、村田さんは話す。

 顧客をサポートすることを第一に、日々の活動に臨む村田さん。柔軟に取り組む姿勢が生きた事例がほかにもある。

 1年ほど前。ある顧客がハウスメーカーの担当者を伴い、住宅ローンの新規申し込みで来店した。顧客が千葉興業銀行を選んだのは、親が長年取引していて縁があったから。ところが、村田さんが申し込みの手続きを進めていると、顧客の土地は制度上の理由で担保として扱えないことが判明した。

 そのままでは要望どおりのローンが実行できないため、村田さんは保証会社への相談を支店長に提案した。規定外でも取り組むべきだと考えた理由はまず顧客に安定した収入があり、親にも資産が十分にあるので万一のときも返済が可能なこと。そして家族との数十年に及ぶ取引実績がある点だ。これらを保証会社に熱心に説明したことで、その日のうちに承諾が得られ、ローンの実行に至った。通り一遍でない対応が顧客から喜ばれたことは言うまでもない。信頼関係がより強くなったことで運用商品の申し込みも得られ、取引深耕につながったという。

 一度だめでも諦めずに別の方法を考えて提案する。

 村田さんのこうした姿勢には原体験がある。入行2年目の頃、住宅ローンの借り換え提案で初めての申し込みを得た。だが審査は否決。顧客は開業医で返済の見通しがあっただけに、村田さんはショックを受けた。このとき、上司の助言を基に返済計画を練り直して再びトライすると、今度は審査が通った。

 入行して間もない頃だったので、どう対処すればいいのか見当がつかなかったという村田さんだが、「一緒に考えて応援してくれた上司がいてくれたおかげで、諦めずに提案することの大切さを身をもって理解できました」と、当時を振り返る。

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 (編集協力)近代セールス kindai-sales.co.jp