石油元売り大手3社の2018年3月期連結決算が15日、出そろった。原油価格の上昇で在庫評価益が膨らんだほか、ガソリンなど石油製品の利幅改善が追い風となったことなどで、全社が大幅な増収増益だった。
JXTGホールディングス(HD)の最終利益は、17年4月に統合する前の旧JXHDと旧東燃ゼネラル石油の前期の合算値と比べ約70%増だった。チリの銅鉱山をめぐって大きな減損損失を計上したが、市況上向きに伴う石油製品の利幅改善や統合による相乗効果などが大きく上回った。
内田幸雄社長は「おおむね環境的にも恵まれた状況にあり、順調なスタートが切れた」と振り返った。
出光興産の最終利益は84.1%増の1623億円で過去最高を更新。コスモエネルギーHDの最終利益も36.8%増の728億円で同じく過去最高だった。
売上高は、JXTGが旧JXと旧東燃ゼネラルの前期の合算値と比べ約11%増で10兆円を超えるなど、全社が2桁の増収だった。
19年3月期は全社が最終減益を予想。JXTGは前期に減損損失計上に伴い税負担が軽減された反動などで14.3%減を見込む。出光は36.5%減、コスモは21.7%減としている。
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■石油元売り大手3社の2018年3月期連結決算(売上高/営業利益/最終利益)
JXTGHD 10兆3010(約11)/4875(約30)/3619(約70)
出光興産 3兆7306(16.9)/2013(48.9)/1623(84.1)
コスモエネルギーHD 2兆5231(10.1)/1118(21.4)/728(36.8)
※単位は億円。HDはホールディングスの略。カッコ内は前期比増減率%で、JXTGHDは旧JXHDと旧東燃ゼネラル石油の前期の合算値との比較