掛け声倒れの「オムニチャネル」 千趣会がJFRと提携解消 ECサイトの高く厚い壁 (1/3ページ)

 カタログ通販大手の千趣会(大阪)が百貨店大手J.フロントリテイリング(JFR、東京)との資本業務提携を解消した。「実店舗と通販の融合」が話題を集めたが、圧倒的な存在感のECサイトに跳ね返された。旧来型の通販業者に残された猶予は多くない。(東京商工リサーチ特別レポート)

◆「実店舗と通販の融合」が話題を集めたが…

 千趣会は4月27日、大丸、松坂屋百貨店などを傘下に持つJFRとの資本業務提携を解消した。

 千趣会は今年2月、地域経済活性化支援機構(REVIC)による投資支援が決定。新たなパートナーと再建に取り組むこととなり、22.6%の筆頭株主だったJFRの持ち株を買い取って資本業務提携を解消した。

J・フロントリテイリング(大丸松坂屋)の山本良一社長

J・フロントリテイリング(大丸松坂屋)の山本良一社長

 2015年4月にスタートさせた千趣会とJFRとの資本業務提携は、業務上の相乗効果以上の意味合いがあった。

 EC(電子商取引)サイトなどのネット通販に対抗し、百貨店とカタログ通販という旧来型の流通業者がタッグを組み、オムニチャネル化(リアル店舗とバーチャル店舗での販売を連携させた購買スタイル)の浸透を目指した。ECを通じた「実店舗と通販の融合」というキーワードが話題を集めた。

◆カタログ通販から脱却できず

 だが、提携後も千趣会の足もとの業績はおぼつかなかった。2017年12月期の連結業績は売上高1259億円(前年度比2.4%減)に対し、42億円の営業赤字を計上。減損やリストラに伴う希望退職の実施で最終損失は110億円に膨らんだ。

旧来型の通販業者はどこも苦闘