【木下隆之のクルマ三昧】プロの業者を相手に愛車を高値で売り抜けるには! 自宅でオークションはいかが (2/3ページ)

 査定日に指定したその日のその時間に複数の業者が集まると、名刺での自己紹介もそこそこに、ジロジロと現車を舐めるように査定が始まる。車検証を見せたり、事故歴の質問があったりと、平凡な会話をしながら査定が進む。

 業者の方々同士はライバルだから、どこかよそよそしい。中には顔見知りなのか、コソコソとなにやら会話をする場面もあるけれど、基本的にはあまり親しそうではなく、微妙な距離感を保ったまま、チェックシートに書き込んだり、携帯電話で誰かと会話をしながら時間が進んでいくのだ。

 業者からの質問の多くは、いったいいくら以上だったら売るのか、である。この質問は困る。もともと相場がわからずネット検索したのである。できれば高値で売り抜けたい。だが、プロを相手に安値を提示するのも悔しい。そんな腹の探り合いがちょっと煩わしかった。

◆まるで市場のセリ?

 幸いに、正規ディーラーと懇意にしている中古屋さんに、事前に下取り価格を聞いていたから、世間の値付けは確認していた。ネットオークションや中古車広告を見るなどして、多少の相場観を入手してから挑むのが正解であろう。

 そんなやりとりを一通りこなした後、頃合いよく、その業者の中の代表格の人が、オークション開催を宣言する。

クルマの値付け、商品価値だけにあらず