JR東労組の脱退者、3万2千人に増加か スト予告で組合員反発、事態収拾図るも7割減少

 今春闘でストライキ権行使を一時予告したJR東日本の最大労働組合「東日本旅客鉄道労働組合(JR東労組)」の組合員数について、5月1日までの3カ月間に約3万2千人が脱退したとみられることが24日、同社への取材で分かった。JR東労組はトップへの制裁を決定して事態の収拾を図ったが、4月1日時点の推定脱退者数約2万9千人から、さらに増加した。

 会社側は組合費を給料から控除する手続きの届け出数によって組合員数の概数を把握している。同社によると、5月1日時点の届け出数は約1万5千人で、スト予告前の約4万7千人(2月1日時点)から約7割減少した。

 JR関係者によると、同労組の推定加入率は昨年10月時点で約80%だったが、5月1日時点で約25%まで低下した計算となる。

 こうした脱退の動きを受けて、JR東労組は4月12日に臨時大会を開催。関係者によると、執行委員長ら計14人に対する制裁を決定したという。

 6月13日には定期大会を開いて新執行部を選出し、態勢立て直しを図るとみられる。

 JR東労組は今年2月、組合員の一律定額のベースアップなどを要求し、会社側へスト権行使を予告。5日後に解除したが、会社側は「(信頼の)基盤が失われた」として、労使協調を掲げた「労使共同宣言」の失効を通知していた。

 産経新聞の取材に対し、JR東労組は「広報担当者が不在のため、答えられない」としている。