日立、英原発「何も決まっていない」 臨時取締役会で議論

英アングルシー島で稼働中の原子力発電所。日立が計画する新原発は隣接地に建設される
英アングルシー島で稼働中の原子力発電所。日立が計画する新原発は隣接地に建設される【拡大】

 日立製作所は28日、臨時取締役会を開き、英国の原発新設計画について議論した。東原敏昭社長は同日、記者団に対し、英国政府と進める事業の枠組みをめぐる交渉について「まだ何も決まっていない」と述べた。

 これまでの交渉では、英政府が、3兆円規模に膨らんだ総事業費のうち、直接融資と現地金融機関の融資で約2兆円を負担する譲歩案を示した。残りの約1兆円は出資で賄い、日立、英政府と現地企業、日本の政府系金融機関や電力会社の3陣営で等分負担する案が検討されている。ただ、建設費高騰や工事遅延で損失が発生すれば日立の経営に深刻な影響が出る恐れもあり、日立の社内でも慎重論がある。