「企業の接待交際費が減ったことが大きい」と指摘するのはスポーツ経営学が専門で日本ゴルフ学会のメンバーでもある鹿屋体育大(鹿児島県)の竹下俊一教授(63)。かつては仕事の付き合いでゴルフを始める人も多かったが、「接待ゴルフ」が減り、週末は取引先とゴルフにいそしむ光景も少なくなった。
ゴルフ場経営者には預託金問題も重くのしかかる。施設整備などのため会員がゴルフ場に預けていた金で期限が来れば返還を求められるものだが、資金不足から多くのゴルフ場で先延ばしとなり、一部で訴訟も起きている。バブル期に整備されたゴルフ場の多くが設備の更新時期にさしかかっておりその費用もかさむ。
接点増やす試みも…
今までは倒産しても別の運営会社に引き継がれゴルフ場として再スタートを切ることが多かったが、近年はそのまま閉業し太陽光発電など別事業の用地になることもある。ゴルフ場の減少がさらなるゴルフ人口の減少につながる悪循環だ。
業界では若者や女性のファンを増やそうと、大学と連携し授業の一環でラウンドに招くなど接点を増やす取り組みや、高額なプレー費用を抑えるため「学割」を導入したところもある。ゴルフ場経営者協会は「健康経営」に力を入れる企業と提携し、若手従業員の健康増進のためゴルフを役立てられないかと検討中だ。
だが、帝国データバンク担当者は「リオデジャネイロ五輪でもゴルフ競技は採用されたが人気回復には至らなかった。東京五輪の効果も限定的だろう」と悲観的な見方を示している。(林修太郎)