モルスタ強気、野村は悲観 新興市場債、急落後の読み対照的

 新興市場債はこのところの売り浴びせでJPモルガンの指数が示すスプレッドが1年4カ月ぶり水準に拡大したが、今後について米モルガン・スタンレーと野村ホールディングスが正反対の見方をしている。

 モルガン・スタンレーは、今年の値下がりは割安になった新興市場債を積み増す好機だとみる。一方の野村は、これまでの下落は年内に投資家が味わう大きな痛みのほんの先触れにすぎないという見方だ。

 新興市場債への強気の根拠は、安定した成長とドル安見通し、米国債利回りが現水準から大きくは動かないとの予想。モルガン・スタンレーはこうした理由から新興市場の主要通貨建て債の買い増しを勧める。

 ストラテジストのジェームズ・ロード氏は、新興市場債のスプレッドが年末時点で今より拡大している可能性もあるが、割安な水準で質の高い債券を入手できる好機が依然多くあると指摘。13日のリポートに「要するに、市場は新興市場のリスクを過度に懸念しており、現水準はリスクを増やす戦略的好機だと考えている」と記述、とりわけ魅力的な投資対象に南アフリカを挙げた。

 一方、野村は借り入れコスト上昇と今年これまでのドル高、原油値上がりに注目し、これらが相まって新興国の経常収支を悪化させるとの見通しを描く。

 ロブ・スバラマン、クォン・ヨンソン両氏を含むアナリストらは11日のリポートで「世界の成長が持続するという予想が正しいとしても、新興市場資産にとっては一時的な猶予でしかないだろう。2018年第3四半期は新興市場資産で痛みを伴う反転のリスクが高い」と論じた。(ブルームバーグ Aline Oyamada)